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「ヌードルストッパーフィギュア」は登録商標だった!

「『ヌードルストッパーフィギュア』は商標だった!権利侵害のグッズ会社が謝罪『認識不足でした』」
そんな記事がありました。

「商標だった!」ではなく、「『登録』商標だった!」とすればより正確かもしれません。
問題の登録商標はこちらです。

この記事へのリプライには、「ヌードルも、ストッパーも、フィギュアも普通に使われる言葉ではないか!?」などの意見も見られましたが、分解してそれぞれ一般名称であっても、それを結合することで一連の特徴的な表現になっていれば商標登録は認められます。例えば、「きのこの山」とか「たけのこの里」などは代表的です。

そして、商標が登録されれば独占権である商標権が発生します。商標権を持つ商標権者が権利侵害行為に対してできることとしては、登録商標の使用を禁止する差止請求や、登録商標の使用によって生じた損害を請求する損害賠償請求が代表的ですが、権利行使の態様は、その他にもいくつか認められています。その一つが、信用回復措置請求です。

信用回復措置請求とは、侵害行為によって権利者が失った信用の回復を侵害者に請求することです。具体的には、謝罪文をメディアで公開するなど侵害者に求めることができます。

商標「ヌードルストッパーフィギュア」を使用したドラゴンホース株式会社は、「商標権侵害に関するお知らせとお詫び」として、次の通りホームページに掲載しました。

今回、商標権者から信用回復措置請求がされたかどうかは分かりません。しかし、この謝罪文の評価は、いまのところ、潔いと好意的なものが多いようです。

商標をはじめとする知的財産権は、知らないうちに他人の権利を侵害してしまう事態も起こりがちです。その場合、どのように対応するかによって、その後の展開も変わってきます。ピンチをチャンスに変える。ビジネスには大切な視点ですね。

(メルマガ「IPビジネスだより 2022年1月号」から転載)