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特許で日本の大学が躍進!?

 「『世界の大学ランキング』日本勢が躍進 東大39位→29位 京大68位→55位に 『特許への貢献度』が好評価得る」とのニュースがありました。(出典:TBS NEWS DIG 2023.9.28)

報道記事タイトルにある東大、京大の他にも、東北大250位以内→130位、大阪大300位以内→175位、東京工業大350位以内→191位、名古屋大350位以内→250位以内と全体的にランクアップしていました。

このランキングでは5つの分野で様々な指標から総合的に大学の実力を評価しています。記事によれば、日本の大学の躍進は「特許への貢献度」が新たに指標に入ったことによる影響が大きいとのことです。

タイムズ・ハイヤー・エデュケーションの調査結果を見てみると、保有する特許の数の多少のみでなく、大学の研究が企業などの特許にどれだけ貢献しているかを評価しているとのことで、日本では大学と産業界のつながりが強いため大学の研究内容が企業での特許に生かされやすいのではないかとの分析も見られました。

日本では、ここ10年くらいで産学連携の取り組みが進んできました。大学での研究成果を核として起業する「大学発ベンチャー」といった言葉も頻繁に耳にするようになったのではないでしょうか。「特許への貢献度」という新たな指標による日本の大学の躍進は、国を挙げて推進してきた産学連携の取り組みが実を結んできたともいえるでしょう。

一方、調査報告では、インドの躍進についても触れられています。インドは91の大学がランキングされ、中国の86大学を抜いて4位に浮上したとコメントされています。人口でも中国を追い抜いて世界一となったインド。未来を背負う人材を輩出する大学においても存在感が大きくなっています。

大学のランク付けに意味があるのかとの声もありますが、このようなデータから過去を振り返ったり、未来を予測してみることは、自分のビジネスを振り返り、予測することにもつながるのではと思います。

 

 (メルマガ「IPビジネスだより 2023年9月号」から転載)