「電動自転車の改造部品出品か、5人摘発 速度超過可能に」
そんな記事が目に留まりました。
(出典:日本経済新聞 2024.10.17)
記事によると、電動アシスト自転車の改造部品などを大手メーカーのロゴと共にフリーマーケットサイトに掲載したとして、3人を逮捕、2人を書類送検したとのこと。いずれも容疑を認め、逮捕された3人は処分保留で釈放されたそうです。
販売していた部品は電動アシスト自転車の制限速度を超えたスピードが出るように改造するためのもので、時速50km程度のスピードが出せるようになるとか。これは大変危険ですね。
ところで、逮捕等の理由ですが、記事には「大手メーカーのロゴと共にフリーマーケットサイトに掲載したとして」とあります。そうです。容疑は、商標法違反です。
記事にも「電動自転車の改造部品販売を巡る商標法違反容疑での摘発は全国初」とあるように、ひとことで言えば、別件逮捕でしょう。
警察としても、時速50kmも出るように自転車を改造するなど、本来は、道路交通法などで対応したかったはずです。しかし、おそらく難しいと判断したのでしょう。
実は、商標法は、このように使われることが比較的よくあります。理由は、商標権侵害では、権利の無い者が登録商標を使ったら、即、アウト。違法であると判断することが容易だからです。
しかも、商標を使っているかどうかは見ればすぐわかります。この事案でも、フリマサイトに「Panasonic」とか「YAMAHA」とかロゴを入れていれば、それだけで侵害です。本人は、この部品は「Panasonic」の自転車にも「YAMAHA」の自転車にも使えることを示しているだけだなどと言い訳するかもしれませんが認められません。
フリマサイトやネット通販サイトでは、どう見ても勝手に企業ロゴを使っているとしかみえないサイトが多数あります。貴社のサイトでの企業ロゴの使い方も、一度、精査してみることをお勧めします。
(メルマガ「IPビジネスだより 2024年10月号」から転載)